無酸素運動と有酸素運動の違いと効果
痩せるために運動をしているのに、なかなか痩せられないと悩んでいませんか?
もしかしてあなたは、非効率なダイエット方法を実践しているのかもしれません。
ダイエットのために運動を続けることは、決して簡単なことではありません。
仕事で疲れている日もあるし、体調がすぐれない日もあることでしょう。
疲労ばかりが残ってしまうと、痩せるどころか免疫力が低下して、健康を害してしまう場合もあります。
努力がムダにならないためにも、今回は、効率的にダイエットする方法をご紹介します。
無酸素運動と有酸素運動なら、どちらのほうが代謝を上げて、効率的に痩せる効果が期待できるのでしょうか?
目次
そもそも「代謝を上げる」ってどういう意味?
ダイエットをするなら、代謝を上げるのが必須条件ですよね。そうしないと、痩せられません。
でも、そもそも「代謝を上げる」とは、具体的にどのような意味なのでしょうか?
今ついている脂肪を落としやすくする
「代謝を上げれば痩せる」というのは、今や誰でも知っていること。
代謝を上げるメリットは、大きく分けて2つあります。
1つは、今ついている脂肪を落としやすくすることです。
代謝量が増えれば痩せやすくなりますが、代謝量の計算は、体重が重いほど多いのです。
では、痩せるほど代謝量が減っていくのでしょうか?
普通に考えれば、その通りなのですが、筋肉量が増えれば、代謝量を増やすことができます。
運動なしでダイエットをすると、この筋肉量が増えないので、代謝はどんどん低下し、いずれはリバウンドしてしまうのです。
脂肪をつきにくくして、太りにくくする
代謝を上げるメリットの2つめは、脂肪をつきにくくして、太りにくくすることです。
栄養を摂ると、摂取カロリーが増えますが、代謝量が少ないと、充分にエネルギーとして消費できずに、余った分が脂肪になります。
そこで筋肉量を増やして代謝を上げれば、食べたカロリーをスムーズにエネルギーとして消費し、脂肪をつきにくくしてくれるのです。
つまり、代謝を上げると、痩せやすくなり、太りにくくなる効果があるのです。
無酸素運動と有酸素運動の違いとは?
では、無酸素運動と有酸素運動の違いとは、いったい何なのでしょうか? 何となく知っているけど、具体的に知らない人もいるかもしれませんので、ここでご紹介します。
運動によって酸素を取り込むか、取り込まないか
運動をすると疲れて、呼吸が荒くなりますよね。これは、酸素を取り込んでいる証拠です。
無酸素運動と有酸素運動の違いは、酸素を取り込むか、取り込まないかという違いなのです。
無酸素運動はその名の通り、酸素を取り込まずに、瞬発的に筋肉を動かす運動です。
一方、有酸素運動とは、酸素を充分に取り込むことで、持久力を必要とする運動です。
消費するエネルギー源が違う(脂肪と糖)
無酸素運動と有酸素運動の違いは、運動によって消費するエネルギー源が違います。
無酸素運動で消費するエネルギー源は、おもに「糖」です。食べ物でいうと、炭水化物などの糖質ですね。
厳密にいうと、食べた物はいずれは全て糖に変換されますが、もともと糖質の食べ物は、素早く体に吸収されて、即エネルギーとして使えるメリットがあります。
一方、有酸素運動で消費するエネルギー源は、おもに「脂肪」です。
食べ物で言うと「脂質」ですが、体についている「体脂肪」も燃焼してエネルギーとして使われます。
有酸素運動は持久力を必要とする運動なので、スタミナが必要です。脂肪が多い体のほうが、スタミナがあるのです。
でも、太っている人は体力がないように感じますよね。それは筋肉がないだけの話で、体脂肪が多いほうがスタミナはあります。
「でもマラソンランナーは細い人が多いけど?」と思うでしょうが、マラソンランナーがどのような食事を摂っているかご存知ですか?
脂肪分たっぷりのステーキなどを食べて、体力をつけています。それでも練習や試合で消費されてしまうので、いかに過酷なメニューをこなしているかがわかりますね。
体脂肪を燃焼させる効果なら有酸素運動
ここまでの説明で、すでにお分かりかと思いますが、体脂肪を燃焼させたいなら、有酸素運動のほうが効果的です。
では、有酸素運動とは、具体的にどのような運動なのでしょうか?
有酸素運動とは?
有酸素運動とは、酸素をたっぷりと吸い込んで、血液中に酸素を送り込む運動です。
つまり、呼吸が苦しくなってしまうような激しい運動では、有酸素運動になりません。
- ウォーキング
- ランニング
- 水泳
- サイクリング
これらが代表的な有酸素運動です。
有酸素運動の効果
有酸素運動の場合、呼吸が苦しくなってしまうような激しい運動では効果がありませんが、ゆる過ぎても痩せられません。
そのため、ダイエット目的で痩せるために有酸素運動をするなら、ちょっと息が上がるくらいの強度がベストです。
話はできるけど、息が少し苦しくて、ハアハアしながら話す感じですね。
この強度の有酸素運動がどれくらいなのか気になると思いますが、心拍数や肺活量が増えるまでに個人差があるので、一概にはどれくらいの運動なのかは明確にできません。
実際に有酸素運動をしてみて、どれくらいの強度なのか、自分で確認してみるしかありません。
心拍数としては、110~120くらいが最も脂肪が燃焼しやすいと言われています。
食後1.5時間が「血糖値の上昇」と「中性脂肪の蓄積」を抑える運動タイミング
食べた物の摂取カロリーは、運動などで消費しなければ、体に脂肪として蓄積されていきます。
食事をすると血糖値が上昇して、それを下げるためにインスリンが分泌されます。このインスリンがたくさん出てしまうと、脂肪がつきやすくなります。
でもダイエットをするなら、できるだけ脂肪を増やさない方法が知りたいですよね。
そのためには、運動をするタイミングが重要になってきます。
血糖値の上昇と、中性脂肪の蓄積を抑えるには、食後1.5時間のタイミングで運動するのが効果的だと言われています。
これで、ムダに太ることがなくなりますね。
基礎代謝量を上げるなら無酸素運動
有酸素運動のメカニズムについてご紹介したので、次に無酸素運動についてご紹介します。
では、無酸素運動とは、具体的にどのような運動なのでしょうか?
無酸素運動とは?
無酸素運動とは、余力を残さないように、自分の限界にチャレンジする運動のことです。
極限まで筋肉を使うことで、筋肉が損傷し、それが回復していく段階で筋肉量が増えます。
- 筋トレ
- ウエイトトレーニング
- 短距離走
これらが代表的な無酸素運動です。
無酸素運動の効果
「無酸素運動をしても痩せられない」と言われることがありますが、決してそんなことはありません。
無酸素運動は、糖質をエネルギー源にしながら、筋肉に負荷をかける運動です。
だから脂肪が燃焼されないと思われがちですが、そもそも糖質のエネルギーが消費されなければ、脂肪は燃焼されません。
有酸素運動をしたとしても、脂肪だけが消費されているわけでもないし、脂肪が先に消費されるわけでもないのです。
まずは糖質から先に消費されて、それが着火剤のような役割をして、徐々に脂肪が燃焼されていくというメカニズムです。
では、無酸素運動の効果とは、どんなことでしょうか?
一番の効果は、筋肉量を増やして、基礎代謝を上げることです。
筋肉がなければ、基礎代謝を上げることはできないので、筋トレなどの無酸素運動で筋肉量を増やし、代謝を上げることで痩せていきます。
運動直後の栄養補給が筋肉増量のチャンス
何度も言いますが、無酸素運動をする目的は、筋肉量を増やすことです。筋肉量が増えると、基礎代謝量が増えるので、太りにくくなる効果があります。
筋肉量を増やすためには、筋肉が損傷しているタイミングで、栄養を補給しなければいけません。その栄養とは、タンパク質のことです。
筋トレで筋肉が損傷するという現象は、今まさに筋肉量が減っている状態です。
そのため、そのタイミングで栄養を補給しなければ、運動したのに筋肉量が減ってしまうのです。
だから、無酸素運動の直後には、栄養補給をすることで、効率的に筋肉量を増やすことができます。
痩せるには無酸素運動と有酸素運動どっちが効果的?
無酸素運動と有酸素運動のメカニズムをご紹介しましたが、結局のところ、痩せるにはどちらの運動が効果的なのでしょうか?
代謝を上げるための無酸素運動と、脂肪を燃焼させるための有酸素運動は、どちらも必要です。
何だかスッキリしない結論ですが、これが真実です。
もっとも効率的に痩せる運動は、どちらもやることが大切です。そうすることでリバウンドも防げるので、痩せた状態をキープすることができます。
無酸素運動と有酸素運動の順番やメニューで効率的に痩せるダイエット方法
もっとも効率的に痩せるダイエット方法は、無酸素運動と有酸素運動の両方が必要だとわかりました。
つまり、2つの運動メニューや、やる順番などによって、ダイエット効果が劇的に違ってきます。
では、どの順番で運動すると痩せられるのでしょうか?
無酸素運動から有酸素運動の順番が効果的
効率的に痩せるダイエット方法は、無酸素運動を先にやってから、有酸素運動をする順番が効果的です。
無酸素運動で消費するのは、おもに「糖質」なので、糖質を効率的に消費させて、短時間で脂肪を燃焼させる段階まで持っていきます。
運動メニューとしては、「スクワット」や「腕立て伏せ」、「クランチ(腹筋運動)」や「ランジ(太ももの筋トレ)」などの筋トレをしてから、ウォーキングなどの有酸素運動をすると、効率的に痩せられます。
◆有酸素運動→無酸素運動の順番にするデメリット
有酸素運動の後に無酸素運動をすると、無酸素運動の効果が半減してしまいます。
無酸素運動は、筋肉に強度の負荷をかける運動なので、有酸素運動でスタミナが切れてしまうと、効率的な無酸素運動ができなくなります。
つまり、パフォーマンスが低下してしまうということです。
そのため、無酸素運動をしてから、有酸素運動をする順番がベストです。
ただし、体を温めるウォーミングアップ程度の軽めの有酸素運動ならOKです。
むしろ、いきなり無酸素運動をすると、体を故障する場合があるので、多少は体を温めてからやったほうがケガをしにくくなります。
無酸素運動と有酸素運動を交互に繰り返す「サーキット」は最強
もっとも効率的に、早く痩せるダイエット方法は、無酸素運動と有酸素運動を交互に繰り返すことです。
いわゆる「サーキット」と呼ばれる運動で、「タバタ式トレーニング」もその1つです。
サーキットは、短時間で効率的に脂肪を燃焼させる最強の運動なのです。
一般的なサーキットは、20~30秒を1クールとして、1種目の筋トレをします。そして20秒くらいのインターバル(休憩)を挟んで、また次の種目の筋トレをします。
でも、もっとも効率的なサーキットは、もう少しハードです。
20~30秒の無酸素運動をして、次の20~30秒で有酸素運動をします。そしてまた次の20~30秒で無酸素運動……と交互に繰り返します。
合計で3~4分くらいのサーキットをすることで、効率的に脂肪を燃焼して、痩せることができます。
ただし、無酸素運動で限界にチャレンジすることが、もっとも大事なポイントです。
減量を目的とするダイエットなら有酸素運動の時間を長めにする
筋肉量を増やすようなダイエットをする場合、体重は気にしないことがポイントです。
なぜなら、脂肪よりも筋肉のほうが重いので、脂肪を落として筋肉量を増やすと、体重が増えることが多いです。
だから、体重を気にしないことが1番ですが、もし減量を目的としてダイエットをしたいなら、有酸素運動の時間を長めにすることが大切です。
無酸素運動との合計で1時間くらいはやりたいところです。
できれば、有酸素運動だけで1時間くらいやるのが理想的です。そのぶん、無酸素運動は5分くらいでOKです。
最後にストレッチを5分くらい入れて、使った筋肉を伸ばすことを忘れないでください。
そうしないと、極度の筋肉痛に悩まされ、運動を続けられなくなります。
1時間くらいの運動をするなら、1~2日おきくらいにすればOKです。それを継続することで、2ヶ月後くらいには減量できるでしょう。
無酸素運動と有酸素運動で痩せるならプロテインを飲む
効率的に、そしてバランス良く痩せたいなら、運動だけでなく「栄養」も必要です。
バランスのとれた食事がベストですが、その中でも1番必要なのは、もちろん「タンパク質(アミノ酸)」です。
食品の中で、最も効率的にタンパク質が摂れるのは「プロテイン」です。
運動とプロテインをセットにすれば、効率的に代謝を上げて脂肪を燃焼することができます。つまり、最短で痩せることが可能になります。
プロテインを飲むとムキムキになると思っている人がいますが、そんなことはありません。
プロテインはムキムキになるために飲んでいるのではなく、効率的に筋肉量を増やし、筋肉の損傷を最小限に抑えるために飲んでいるのです。
プロテインを飲むタイミングは?
筋肉量を増やし、代謝をアップさせるためには、プロテインを飲むタイミングも重要です。
無酸素運動にせよ、有酸素運動にせよ、運動をすると筋肉を損傷します。破壊といったほうが良いかもしれません。
運動によって筋肉を破壊しますが、その後に栄養を摂ったり、休息することで筋肉が修復されます。
このときに充分な栄養と休息があれば、以前よりも筋肉量が増え、筋肉が大きく成長します。
つまり、運動後にプロテインを飲むことで、効率的に筋肉量を増やし、代謝を上げることができます。
理想としては、運動後40分以内にプロテインを飲むと効果的だと言われています。
食事は、いつのタイミングで摂ればいいの?
では、食事はいつのタイミングで摂れば良いのでしょうか?
運動前に空腹だと、運動によるパフォーマンスが低下して、思うようなダイエット効果が得られません。
そのため、運動前に食事を摂っておくことが大切です。とはいえ、運動の直前に食事するのはNGです。
理想としては、運動の2時間前にとっておくのが良いですが、ちょっとむずかしい場合もありますよね。
その場合は、運動前に素早く吸収する栄養を摂ることが大切です。
体に素早く吸収される食べ物は、以下のような物です。
- バナナ
- おにぎり
- スポーツドリンク
バナナは素早くエネルギーになりますし、おにぎりは糖質のかたまりなので、すぐにエネルギーとして使えます。
またスポーツドリンクはアミノ酸なので、素早く吸収して、パフォーマンスを向上させてくれます。
どうしても食事の2時間後に運動するのがむずかしい場合は、これらのものを摂ってから運動をするようにしましょう。
栄養が足りない状態で運動をすると、エネルギー不足でパフォーマンスが低下するだけでなく、低血糖状態になり危険なので注意しましょう。
無酸素運動も有酸素運動もダイエットに効果的!組み合わせと順番が大事
無酸素運動と有酸素運動では、どちらが痩せる効果があるのか、そのメカニズムをご紹介しました。
どちらもそれぞれにダイエット効果があり、組み合わせや順番が大事だということがわかりましたね。
効率的に痩せるためにも、ご紹介したことを念頭において運動をしてみてくださいね。
ダイエットには、無酸素運動も有酸素運動も効果的。
順番や運動メニューを上手に組んで、効率的に痩せましょう!