
「お腹が空いて眠れない…」そんな経験はありませんか?
夜中にふと目が覚めたら、空腹でお腹がグゥグゥ…。眠気よりも空腹が勝ってしまい、気になって眠れなくなる……このような経験のある人は少なくありません。
実は、「夜中にお腹が空いて眠れない」状態には、日頃の食事内容・生活習慣・血糖値の乱れ・ホルモンバランスなど、さまざまな原因が潜んでいます。
そして、間違った対処をしてしまうと、睡眠の質が落ちたり、太りやすくなったりと健康面にも影響を及ぼしかねません。
この記事では、以下についてわかりやすく丁寧に解説しています。
✅ 夜中にお腹が空いてしまう根本的な原因
✅ 食べない方がいい本当の理由
✅ 今すぐできる空腹対処法7選
✅ OKな夜食・NGな夜食
✅ 空腹で目覚めない体をつくる習慣
「すぐできる対策が知りたい」
「そもそもなんで夜中にお腹がすくの?」
「空腹とうまく付き合いたい」
そんなあなたの疑問を解消できるよう、根拠に基づいた対処法をご紹介しています。ぜひ、快適な眠りを取り戻すヒントにしてみてください。
なぜ夜中にお腹が空いて眠れなくなるのか?

「寝ようと思って布団に入ったのに、お腹が空いて眠れない…」実はこの現象には、血糖値の変化やホルモンバランス、生活習慣の乱れなど、さまざまな原因が関係しています。
ここでは、夜中にお腹が空いてしまう主な原因を、6つの視点からわかりやすく解説します。
血糖値の低下が脳を目覚めさせる
人間の体は、食事で摂取した糖(ブドウ糖)をエネルギー源とし、血液中の糖の濃度(=血糖値)を保っています。食事をすると血糖値が上昇し、その後3〜4時間ほどかけて徐々に低下します。血糖値が下がってくると、脳が「エネルギーが足りない」と判断し、空腹感を感じさせます。
特に、夕食を早い時間に済ませて就寝時間が遅い場合、寝る頃には血糖値が大きく下がり、脳が目覚めやすくなるのです。これが「眠気よりも空腹感が勝つ」状態を引き起こします。
さらに、炭水化物や甘いもの中心の夕食を摂った場合、血糖値が急上昇→急降下しやすく、より強い空腹感を感じる原因にもなります。(血糖値の急上昇、急降下は空腹感が強くなるため)
✅ 対策のヒント:夕食では、糖質だけでなく食物繊維やたんぱく質も一緒に摂ることで、血糖値の急な上下を防ぎ、夜中の空腹感を抑えることができます。
生活リズムの乱れで食欲ホルモンが崩れる
不規則な生活をしていると、体内時計が乱れ、食欲や睡眠にかかわるホルモンバランスが崩れて空腹を感じやすくなります。特に「寝る時間や食事の時間が毎日バラバラ」な人は要注意です。
また、睡眠不足になると、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が減り、食欲を増進させるホルモン「グレリン」が増えることがわかっています。これにより、夜中に強い空腹を感じやすくなるのです。
✅ 対策のヒント:なるべく毎日同じ時間に寝起きし、朝・昼・晩の食事時間を一定にすることで、ホルモンバランスが整い、深夜の空腹感が軽減されます。
強いストレスが「食べたい」を引き起こす

心配事やプレッシャーなどで強いストレスを抱えていると、ホルモンバランスが乱れやすくなります。イライラや不安を和らげようとして、脳が「何か食べたい」と感じてしまうのです。
これは「ストレス食い」とも呼ばれ、空腹とは無関係に食欲が刺激されてしまいます。本来、夜は副交感神経が優位になりリラックスする時間帯ですが、ストレスによって交感神経が優位になるとリラックスできず、空腹感が増幅されることがあります。
✅ 対策のヒント:湯船にゆっくり浸かる、アロマを使う、軽いストレッチをするなど、日常の中に「リラックス習慣」を取り入れることが効果的です。
過度なダイエットでカロリー不足に

「ダイエット中だから」と夕食の量を極端に減らしていませんか?野菜だけ、または低カロリーなものばかりの食事は、一時的には空腹感をしのげても、深夜にはエネルギー不足により空腹が強くなります。
また、栄養バランスが偏ることで、体が足りない栄養素を欲しがり、余計に食べたくなってしまうことも。
✅ 対策のヒント:ダイエット中でも、たんぱく質やビタミン・ミネラルをしっかり摂ることが大切です。「我慢するダイエット」より、「満足できる健康的な食事」を意識しましょう。
夕食から就寝までの時間が長すぎる
夕食の時間が早い場合、就寝までに5~6時間以上空いてしまうと、自然と空腹感が出てきます。これは「消化が終わったタイミング」で起こるもので、特に夜ふかしをする人に多く見られます。
✅ 対策のヒント:生活リズムを整えて早めに眠る、もしくは夕食の時間を少し遅らせる工夫もおすすめです。
早食いが満腹感を妨げている
食事を速いスピードで済ませると、脳の「満腹中枢」が刺激される前に食事が終わってしまい、十分に満腹感を得られないことがあります。その結果、しばらくしてから空腹を感じやすくなり、夜中に「もっと食べたい」という欲求につながるのです。
✅ 対策のヒント:食事は1口あたり30回を目安によく噛み、時間をかけて食べるようにすると、満腹感を得やすくなります。
夜中にお腹がすいて寝られない…それでも「食べない方が良い理由」とは?

お腹が空いて眠れない夜、つい何か口にしたくなりますよね。確かに、少し食べれば空腹は満たされ、眠りにつけるかもしれません。しかし、夜中の飲食には思わぬリスクがあるのをご存知でしょうか?
ここでは、「空腹で眠れなくても、安易に夜食に頼らないほうが良い理由」を体のメカニズムや健康面からわかりやすく解説します。
夜中に食べると「太りやすくなる」
夜間は日中と比べて、体の代謝が低下しています。そのため、食べたものが効率よくエネルギーとして使われず、脂肪として蓄積されやすくなります。
特に、寝る直前に糖質や脂質の多い食べ物を摂ると、消費されなかったエネルギーが脂肪に変わり、体に蓄えられてしまいます。
✅ ダイエット中の人は特に注意!
寝る前の夜食は、努力を無駄にしてしまう落とし穴になりかねません。
胃腸に負担がかかり翌朝の「胃もたれ」の原因に
本来、就寝中は胃腸を休める時間です。しかし、夜中に食べ物を入れると、胃腸が活動を続けなければいけなくなります。
その結果、消化不良を起こしやすくなり、翌朝に「胃が重い」「気持ち悪い」といった症状につながることも。さらに、夜間は消化を助ける酵素の分泌が少なくなるため、消化効率も悪くなります。
✅ 睡眠中にしっかり体を回復させるためにも、胃腸は休ませてあげることが大切です。
食べると一時的に眠くなるが、実は「眠りが浅くなる」

食後に眠くなるのは、血糖値の急上昇による一時的な反応です。しかし、そのまま寝てしまうと、胃腸が活発に動くことで交感神経が刺激され、深い眠りに入りにくくなるというデメリットがあります。
また、寝ている間に血糖値が急降下すると、夜中に目が覚めやすくなり、睡眠の質を大きく下げてしまいます。
✅ 「眠るために食べたのに、かえって眠れない」そんな悪循環に陥ることもあるので要注意です。
アドレナリンの分泌で“目が冴える”リスクも

空腹状態が続くと、体は血糖値を上げるために「アドレナリン」というホルモンを分泌します。このアドレナリンは脳を目覚めさせる作用があるため、結果的に眠気が遠のき、目が冴えてしまうのです。
ただし、夜中に何かを食べると、アドレナリンの分泌は抑えられても、今度は消化活動で交感神経が刺激され、結果的に眠りを妨げるという矛盾が起きてしまいます。
✅ 空腹でも「食べずに乗り越える工夫」が、結果的に睡眠の質向上につながります。
■まとめ|空腹でも「食べずに眠る工夫」を優先しよう
夜中にお腹が空くと、つい何か食べたくなりますが、その場しのぎの夜食にはリスクがいっぱい。太りやすくなるだけでなく、胃腸の不調や睡眠の質の低下、食欲の乱れなど、健康面でもデメリットが多くあります。
もし空腹で眠れない夜が頻繁にあるなら、次章の「対処法7選」でご紹介するような“食べずに眠るための工夫”を取り入れてみましょう。習慣を見直すことで、夜中の空腹もグッと減っていきますよ。
夜中にお腹が空いて眠れない時の7つの対処法
「お腹が空いて寝られない…」「夜食を我慢すると余計に眠れない…」そんな経験、ありませんか?
しかし、夜中の空腹に食べ物で対処してしまうと、睡眠の質が下がったり、太りやすくなったりと、悪影響を及ぼすことがあります。
ここでは、「食べずに眠る」ための具体的な対処法を7つ紹介します。どれも簡単に取り入れられる方法ばかりなので、試してみてください。
白湯やホットミルクなど「温かいノンカフェインの飲み物」を飲む

空腹感を和らげるには、温かい飲み物をゆっくり飲むのが効果的です。胃に何かが入ることで安心感が得られ、体も温まって眠りやすくなります。
■おすすめは以下のような飲み物です
- 白湯
- ホットミルク(無糖)
- カフェインレスのハーブティー(カモミール、ルイボスなど)
- 温めた無調整豆乳
■注意
カフェイン入りのコーヒー・紅茶、アルコールは覚醒・利尿作用があるためNG。飲みすぎると夜間のトイレで眠りが妨げられるので、コップ1杯を目安に。
軽いストレッチやリラックス系ヨガで空腹をまぎらわす

激しい運動は逆にお腹をすかせてしまいますが、軽めのストレッチやヨガは副交感神経を優位にし、リラックス効果が得られます。
布団の上でもできる動きで、体と心をゆるめて眠気を誘いましょう。
例:深呼吸をしながらの前屈、肩回し、足の裏マッサージなど
あわせてツボ押しやセルフマッサージも効果的。空腹感よりも「眠気」のほうが勝るようになります。
ぬるめのお風呂で体を温めて深部体温を下げる

夜間にしっかり眠るためには、就寝前に体の深部体温をゆるやかに下げることがポイントです。そのために有効なのが、ぬるめ(38~40℃)のお風呂に15〜20分ほど浸かること。
お風呂上がりに自然と体温が下がってくるタイミングで布団に入ると、眠気がスムーズに訪れます。入浴でリラックスできると、空腹感も気にならなくなります。
歯磨きをして「食事は終わった」と脳に伝える
意外かもしれませんが、「空腹だけど何も食べたくない時」に歯磨きが効果的です。これは、脳に「食事が完了した」と錯覚させる心理的トリックの一種。
歯磨きによって口の中がスッキリするだけでなく、気分のリセットにもなり、食欲を抑えることができます。
読書・音楽・アロマなどで気をそらしリラックス

空腹に意識が集中してしまうと、眠気が遠のいてしまいます。そんな時は、リラックスできる趣味の時間をつくってみましょう。
- ゆったりした音楽を聴く
- 静かな読書(スマホはNG)
- アロマオイルやお香で香りから癒しを得る
副交感神経が優位になり、空腹を感じにくくなります。
寝室の「環境」を整える(温度・光・音)
お腹が空いて眠れないときは、実は寝室の環境が原因で眠りにくくなっている可能性もあります。
- 室温:25℃前後(夏はエアコンで調整)
- 照明:間接照明やナイトライトで暗めに
- 音:静かにしておくか、リラックス音源を流す
快適な環境を整えることで、空腹感よりも「眠気」を優先しやすくなります。
日中の生活リズムと食習慣を見直す

根本的に夜中の空腹を防ぐには、日中の生活リズムと食習慣の見直しがカギです。
- 朝日を浴びて体内時計をリセット
- 毎日3食、同じ時間に食事をとる
- 食事のバランスを整え、たんぱく質・食物繊維をしっかり摂取
- 適度な運動で1日を充実させる
こうした生活習慣を整えることで、夜間にお腹が空く頻度を減らし、自然と快眠できるようになります。
夜中に食べるなら?OKな夜食・NGな夜食を正しく選ぼう
「空腹すぎてどうしても眠れない…」「何か少しだけ食べたい」そんな夜もありますよね。夜食を完全に我慢することがストレスになる場合、体に負担の少ない食べ物を選ぶことが大切です。
ここでは、夜中でも安心して食べられるOKな夜食と、逆に避けるべきNGな夜食を分かりやすく解説します。
食べてOK!眠りを妨げない「やさしい夜食」6選

夜食をとる場合は、低カロリー・消化の良さ・血糖値の急上昇を避けることがポイントです。以下のような食品であれば、睡眠の妨げになりにくく、空腹感を和らげてくれます。
①バナナ
バナナは消化がよく、トリプトファンやマグネシウムを含んでおり、睡眠をサポートします。1本だけならカロリーも控えめでおすすめ。
②ホットミルクや豆乳(無糖)
ミルクや豆乳に含まれるトリプトファンは、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料に。温めて飲むことで、リラックス効果も得られます。
③ゆで卵(1個)
たんぱく質が豊富で腹持ちも良いので、少量でも空腹感が落ち着きます。塩分は控えめに。
④おかゆ(少量)
胃腸に優しく、消化も早いのがおかゆの良さ。雑炊や卵入りのおかゆも◎
⑤無糖ヨーグルト(小鉢1つ分)
乳酸菌で腸内環境も整えながら、たんぱく質も補給できます。はちみつを少しだけ加えるのもOK(血糖値の安定に有効)。
⑥ナッツ(無塩・無添加で5〜6粒まで)
アーモンドやくるみなどは満腹感を得やすく、ビタミンEやマグネシウムが豊富。食べすぎには注意ですが、少量なら効果的。
食べると逆効果!NGな夜食リスト

以下のような食品は、睡眠を妨げたり太りやすくなったりするリスクがあるため、夜食としては避けましょう。
×ラーメン・カップ麺
高脂質・高塩分で消化が悪く、胃腸に負担をかけます。寝つきが悪くなる原因に。
×菓子パン・スイーツ類
糖質が多く血糖値が急上昇→急降下すると、逆に眠れなくなります。特にチョコレートはカフェインも含むのでNG。
×スナック菓子・フライドフード
油分・塩分・添加物のかたまり。夜中に食べると太りやすくなるだけでなく、翌朝の胃もたれにもつながります。
×カフェイン入り飲料(コーヒー・緑茶・紅茶)
目覚め作用があり、眠りを浅くします。夜間はカフェインレスコーヒーやハーブティーを選びましょう。
×アルコール類
「寝酒」は一時的に眠気を誘っても、睡眠の質を大きく下げるため逆効果。利尿作用もあり、夜中に目が覚めやすくなります。
夜中にお腹が空かない体をつくるための7つの習慣
「夜中になるとお腹が空いて眠れない…」そんな悩みを根本から解消するには、日頃の生活習慣の見直しがカギです。ここでは、夜中に空腹を感じにくい体をつくるための具体的な7つの習慣をご紹介します。
食事のタイミングとバランスを整える

夜中にお腹が空いてしまうのは、夕食のタイミングや内容が適切でないことが原因のひとつです。
- 夕食は寝る2~3時間前までに済ませる
- 主食・主菜・副菜をバランスよく
- 食物繊維やたんぱく質をしっかり摂ると腹持ちが良くなり、夜中の空腹予防に◎
間食は計画的にとる
日中の血糖値が乱れると、夕方〜夜に強い空腹感を感じやすくなります。
- 夕方にナッツやヨーグルトなど、低GI食品を少しだけ摂取すると、夜間の空腹が抑えられます。
- 甘いお菓子は血糖値の急上昇&急降下を招くため逆効果!
適度な運動習慣をつける
軽い有酸素運動やストレッチなどの運動を習慣にすることで、食欲ホルモン(グレリン)が安定し、無駄な空腹感を感じにくくなります。
- 夕方〜夜の軽いウォーキングやヨガがおすすめ
- 筋トレで基礎代謝を上げるのも効果的
十分な睡眠時間を確保する

睡眠不足は、食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌を増やし、満腹感を司るホルモン(レプチン)を減少させてしまうという研究結果も。
- 7〜8時間の質の良い睡眠を確保することで、深夜の空腹感が起きにくくなります。
寝る前のルーティンを決めておく
「寝る=何も食べない」という習慣づけには、寝る前の行動をルーティン化することが効果的です。
- 寝る前に歯磨きをする(脳が「食事終了」と認識)
- アロマや音楽でリラックスモードへ
- スマホ・PCは寝る30分前にはオフ!
ストレスをためない生活を心がける

ストレスが溜まると、暴飲暴食や深夜のドカ食いにつながるリスクが上昇します。
- 趣味を楽しむ
- 深呼吸や瞑想、入浴でリラックス
朝日を浴びて体内時計を整える
朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされます。
- 自律神経が整う
- 食事・睡眠リズムが安定し、夜間の空腹感を防ぐ
まとめ|夜中にお腹が空いて眠れなくなる原因と対策を知って快眠へ!

夜中にお腹が空いて眠れないのは、一時的な空腹感だけでなく、食生活や生活リズム、ストレス、睡眠の質など、さまざまな要因が関係しています。
この記事では、以下のようなポイントを解説しました。
✅この記事のポイントおさらい
- 夜中の空腹の原因は、血糖値の低下やホルモンバランスの乱れ、夕食内容の偏りなど。
- 空腹で眠れないからといってすぐに食べるのは逆効果。消化不良や肥満の原因にもなりかねません。
- 対処法としては、白湯やホットミルクを飲む・軽いストレッチ・入浴・歯磨きなど、すぐ実践できる方法がたくさんあります。
- 根本解決には、日頃の生活習慣の見直しが不可欠。食事・運動・睡眠の質を整えることで、夜中の空腹を感じにくい体質に近づけます。
✅今すぐできる!快眠のための一歩
「今夜も眠れないかも…」と感じたら、まずはコップ一杯の白湯を飲み、スマホから離れて静かに深呼吸してみてください。無理に眠ろうとせず、心と体をリラックスさせることが最優先です。
快眠は健康と美容の基本です。
夜中にお腹が空いて眠れない…そんな日々が続くと、心身に負担がかかりやすくなります。しかし、原因を知り、正しく対処すれば、質の良い眠りは誰でも手に入れられるものです。
「ただ我慢する」のではなく、生活を少しずつ整えることが、空腹の悩みを解消するカギとなります。毎日をもっと元気に、前向きに過ごすために、できることから少しずつ始めてみてください。