夜中にお腹が空く原因と我慢できないときの空腹対策
夕食をしっかり食べたはずなのに、寝る直前になってお腹が空いてしまうと眠れなくなって困りますよね。でも、寝る前に食べるとエネルギーが消費されずに、そのまま脂肪になってしまいます。
しかも、夜中に空腹を感じるときって、高カロリーのお菓子やジャンクフードなどが無性に食べたくなってしまいますよね。そんなものを食べたら太るのはわかっているけど、抑えきれないこの空腹感をどうすれば良いのでしょうか?
そこで今回は、夜中にお腹が空いてしまう原因と、我慢できないときの空腹対策をご紹介します。食べないで我慢するためにはどうすれば良いのか、また、どうしても食べたいときには何を食べれば良いのか、などを見ていきましょう!
目次
夜中にお腹が空いてしまう原因とは?
ダイエット中に限らず、夜中にお腹が空いてしまうと困ってしまいますよね。寝る直前に食べたら太ってしまうのはもちろん、胃腸にも負担がかかるし、安眠の妨げにもなってしまいます。
夜中にお腹が空いて食べてしまうことは、ダイエット面でも、健康面でも、美容面でも良くありません。では、なぜ寝る前になってお腹が空いてしまうのでしょうか? その原因を見ていきましょう。
炭水化物ばかり食べる
「お腹が空いた」と感じるのは、血糖値の低下が原因です。本来の空腹感は、血糖値がゆるやかに上昇し、ゆるやかに低下するときに自然と感じるもの。時間にすると、だいたい食事から3~4時間経ってから空腹を感じます。
しかし、ご飯やパンなどの炭水化物ばかり食べていると血糖値が急激に上昇しやすく、食事からあまり時間が経っていないのにお腹が空きやすくなります。これは、血糖値が急激に上昇すると、その後に急降下する性質を持っているからです。
血糖値が急激に上昇しやすい食べ物は、うどんやラーメン、丼ものなどの炭水化物が中心の単品料理。夜中の空腹を抑えるには、炭水化物ばかり食べる食事を改善し、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
感情に左右されて食欲を感じることがある
食欲は体が感じる物理的なものだと思いがちですが、実は、感情に左右されて食欲を感じてしまうこともあります。ストレスがたまってイライラしているときや、さみしさを感じているときなどは、それらの感情をまぎらわすために食欲を満たそうとしてしまうのです。
これは、感情が満たされていないから、食欲という「欲」を満たそうとする人間の自然な行動と言えるのかもしれません。いつも食欲を我慢できなくて困っている人は、この感情による食欲が原因の可能性もあるので、自分の感情と向き合う時間をつくり、根本的な解決を心がけたほうが良いでしょう。
また、無駄に遅くまで起きていると、余計な感情に支配されて食欲が湧いてしまうこともあるので、早めに寝るようにすることが大切です。感情に食欲を支配されないためにも、自分の感情と食欲をコントロールできるようになりましょう。
摂取カロリー不足
夜中にお腹が空いてしまうのは、摂取カロリーが不足しているせいかもしれません。ダイエット中は夕食の量を減らす人が多いと思いますが、無理なダイエットはかえって空腹感を増し、ドカ食いを招いてしまうこともあるので逆効果です。
たしかに夕食を減らすと痩せやすくなりますが、「サラダだけ」とか、「1つの食材だけを食べるダイエット」などをしていると栄養バランスが偏り、足りない栄養素があるため、お腹が空きやすくなります。
夕食のカロリーを減らしたい場合には、糖質や脂質などの高カロリーのものを減らし、低カロリーで栄養のある食材を食べるようにしましょう。
早食いですぐにお腹が空く
夕食をたくさん食べたのに、1~2時間ですぐにお腹が空いてしまう人は、早食いが原因かもしれません。早食いをすると噛む回数が減り、満腹中枢が刺激されないことで満腹を感じにくく、しかもすぐに空腹を感じてしまうのです。
よく噛んでゆっくり食べれば正常な満腹感が得られ、その満腹感が持続しやすくなるため、夜中にお腹が空くことも少なくなりますよ。
テレビなどの影響で食欲が刺激される
グルメレポートをしているテレビ番組で、肉汁したたるハンバーグの映像を見たり、インターネットでお取り寄せスイーツの美味しそうな写真などを見てしまうと、とくにお腹が空いているわけでもないのに、食べ物のことが頭から離れなくなってしまうことってありますよね。
実は、食べ物の写真を見るだけでも食欲が刺激されてしまうため、お腹が空いたと感じてしまうのです。
夜中にお腹が空くのを防ぐには、寝る前にテレビやネットなどを見ないようにすることも手段の1つです。
睡眠不足で食欲が増す
睡眠不足になると、食欲が増したり、満腹感を得られずに食べすぎてしまったりします。これは、睡眠不足になることで、食欲をコントロールする「レプチン」の分泌が減少してしまうからです。レプチンが減ると、反対に食欲を増す効果のある「グレリン」というホルモンの分泌が増え、空腹を感じやすくなります。
これらのホルモンは、睡眠不足だけでなく、不規則な生活を送っている人にも影響を及ぼします。睡眠不足や不規則な生活を見直し、日頃の生活習慣を整えることで食欲をコントロールできるようになります。
夜中にお腹が空かないための対策
夜中にお腹が空いてしまう原因がわかりましたね。では、そもそも夜中にお腹が空かないようにする方法はあるのでしょうか? 夜中にお腹が空かないための対策をご紹介します。
血糖値が急上昇しない夕食を選ぶ
夜中にお腹が空かないようにするためには、血糖値が急上昇しない夕食選びが重要なポイントになります。血糖値が急上昇する食べ物を食べると、すぐに血糖値が急降下することで空腹を感じやすくなります。それを防ぐには、以下のような夕食を選ぶのがオススメです。
夜中にお腹が空きにくくなる夕食の選び方
- 高タンパクのものを食べる
- 食物繊維の多いものを食べる
タンパク質は満腹感が持続する効果があるので、夕食で高タンパクのものを食べるとお腹が空きにくくなります。食物繊維は血糖値の上昇をゆるやかにする作用があるので、血糖値の下降もゆるやかになり、空腹を感じにくくなります。
夕食では、血糖値が急激に上昇しやすい「炭水化物」をできるだけ控え、タンパク質や食物繊維を食べるようにしましょう。
ゆっくり食べて満腹感を持続させる
早食いをすると満腹を感じにくいとご紹介しましたが、できるだけゆっくり食べることが満腹感を持続させるコツです。ゆっくり食べることで満腹中枢を刺激しやすくなり、正常な満腹感を得られるため、満腹感が持続しやすくなります。
また、ゆっくり食べるだけでなく、よく噛んで食べることも大事。できれば1口に対して30回は噛んで食べるようにすると、満腹中枢を刺激して食べすぎを防ぐとともに、血糖値の上昇をゆるやかにすることができます。
血糖値の上昇がゆるやかになれば、血糖値の下降もゆるやかになり、満腹感を持続させることができます。
早めに寝る
遅くまで起きていれば、何かしら体を動かしているので、お腹が空いてしまうのは当然のこと。そのため、できるだけ早めに寝ることも、夜の空腹を避けるためには大切です。
夜型の生活の人は朝型の生活に変えていくことで、夜中の空腹に悩まされることも少なくなりますよ。
空腹のまま寝るメリット
「お腹が空いて眠れない」という経験をしたことがある人も多いと思いますが、空腹のまま寝ることにはメリットがあるのでご紹介します。
脂肪が消費される
寝ているときには「成長ホルモン」や「コルチゾール」というホルモンが分泌され、カロリーを消費してくれます。
成長ホルモンは内臓や筋肉、肌細胞などを修復し、疲労を回復したり、代謝を促進させたりする効果があります。
コルチゾールはストレスを感じたときに分泌されるホルモンですが、実はダイエットにも良い影響を与えてくれます。コルチゾールは体内の糖や脂肪をエネルギーに変えてくれるので、寝ている間もカロリーを消費してくれるのです。
寝ている間に消費されるカロリーは、およそ300~500キロカロリーと言われています。空腹状態のまま寝ることで、脂肪が優先的に消費しやすくなります。
良質な睡眠がとれる
寝る前の空腹に耐えきれず食べてしまうと、消化活動が終わっていない状態で寝ることになります。すると寝ている間も消化が行われているため、安眠の妨げになり、良質な睡眠をとることができなくなってしまいます。
満腹になると眠くなるように感じるかもしれませんが、これは一時的なことで、睡眠の質のことを考えると空腹のまま寝るほうが良質な睡眠をとることができます。
睡眠不足になると食欲が増すとご紹介しましたが、寝る前に食べると睡眠不足を引き起こすことで夜の空腹感を増長させる原因になり、太りやすくなります。良質な睡眠をとることはダイエットにおいて大切なポイントです。
どうしてもお腹が空いたら軽い運動をする
夜中にお腹が空かないための対策をご紹介しましたが、どうしてもお腹が空いてしまったら軽い運動をしてみましょう。軽い運動をするとアドレナリンが分泌され、血糖値が上がることで空腹を感じにくくなります。
また、運動をすることで「グレリン」という食欲を刺激するホルモンの分泌が減少すると言われています。グレリンの分泌が減れば「お腹が空いた」と感じにくくなるので、空腹対策として軽めの運動はオススメですよ。
ただし、寝る前にあまり激しい運動をすると安眠の妨げになってしまうので、ストレッチや軽めの筋トレなどをすると良いでしょう。
我慢できないときの空腹対策とは?
夜中にお腹が空かないための対策と、どうしてもお腹が空いてしまうときの対処法をご紹介しましたが、それでもお腹が空いてしまうこともあると思います。では、どうしても我慢できないときの空腹対策はどうすれば良いのでしょうか?
寝る2~3時間前に食べる
寝る直前にお腹が空いて食べてしまうくらいなら、寝る2~3時間前に食べておくことをオススメします。寝ている間は胃腸のはたらきが低下するため、食べ物を消化しきれずに体にため込まれてしまいます。体にため込まれた食べ物は脂肪に変わってしまうので、寝る前に食べると太りやすくなるのです。
そのため、どうしてもお腹が空いて我慢できないときは、できるだけ早めに少量の食べ物を食べ、寝る前の2~3時間は食べないようにしましょう。
水分を摂る
空腹を感じるときは、お腹に何かが入れば一時的にでも満腹を感じることができます。そのため、水分を摂るようにしましょう。空腹対策のためには、冷たい水ではなく「白湯」がオススメ。冷たい水では胃腸を冷やしてしまうので、少し温かいか、常温の水を飲むようにしましょう。
だし汁を飲む
「どうしても空腹を我慢できないけど、できるだけ食べ物は食べたくない」という人は、だし汁を飲むのがオススメ。かつおダシや昆布ダシに含まれている旨味成分によって味の満足感が得られ、食べ過ぎや食欲を抑えてくれる効果があります。
そばやうどんに使う「めんつゆ」を薄めて飲んでも良いですし、顆粒ダシなどを溶かして飲んでも良いでしょう。和風ダシだけでなく、魚や貝類などのエキスでもOKです。つまり、味噌汁やスープを飲むと空腹感がまぎれるということですね。
低カロリーのものを食べる
寝る前にどうしても空腹を我慢できないときには、低カロリーのものを食べるのがオススメです。低カロリーのものなら罪悪感なく食べられますよね。
たとえばゼリーや春雨スープ、こんにゃくなどがオススメ。フルーツは糖分が多く含まれていますが、リンゴなら食べごたがあり、消化が良いので夜食にぴったりです。夜遅く食べるなら、できるだけ低カロリーのものを選びましょう。
消化の良いものを食べる
夜中に何かを食べるというだけで胃腸に負担がかかりやすいので、できるだけ消化が良いものを選ぶこともポイント。もちろん、いくら消化が良いからといって、食べすぎたら太るので注意しましょう。
消化の良い食べ物なら、ぞうすいやうどん、お粥などがオススメ。これらには水分が多く含まれているので満腹感を得やすく、少量でも満足できます。
温かいものを食べる
寝る前に冷たいものを食べると胃腸に負担がかかるので、できるだけ温かいものを食べるのがポイント。消化が良くて温かいものなら尚良いでしょう。
夜食にオススメの食べ物
では、どうしても空腹を我慢できないときの夜食には、何を食べれば良いのでしょうか? たとえば、以下のような食べ物がオススメです。
- ホットヨーグルト
- 白身の肉……鳥のささみや白身魚など
- カッテージチーズ
- キノコ類・海藻類
- バナナ
- 豆腐
- こんにゃく・おでん
夜食として食べるなら、なるべく体を冷やさない食べ物がオススメ。タンパク質が豊富なホットヨーグルトなら腹持ちがよく、体も冷やさないので夜食にオススメです。白身の肉はゆっくりと消化するので満腹感が持続しやすく、炭水化物や脂肪をエネルギーに変える助けになってくれるのでオススメです。
カッテージチーズにはタンパク質が含まれていて、満腹感を得やすいので夜食にオススメ。豆腐にはタンパク質が多く含まれていますし、こんにゃくやおでんは低カロリーなので夜に食べても罪悪感が少ないでしょう。
キノコ類や海藻類には、食物繊維が豊富に含まれていて低カロリーなので夜食にオススメです。コレステロールや糖分を便として排出する効果もあるので、ダイエット中でも安心して食べられます。
バナナにはカリウムやマグネシウムが豊富に含まれていて、体の緊張をゆるめる作用があるため安眠をサポートしてくれます。
これらの食べ物で空腹を満たし、快適に眠りにつきましょう。
夜にお腹が空いてもやってはいけないこと
夜にどうしてもお腹が空いて我慢できないときの対策をご紹介しましたが、食べてはいけないものや、やってはいけないことがあるのでご紹介しておきます。
脂肪分や油分の多いものは食べない
夜にどんなにお腹が空いても、脂肪分が多い食べ物や油分の多い食べ物はNGです。脂質が多く高カロリーの食べ物は消化に時間がかかるので安眠の妨げになりますし、当然ながら太ります。
消化の悪いものは食べない
消化の悪いものを寝る前に食べると、消化に時間がかかるので安眠の妨げになります。たとえばナッツ類はビタミンEが多く、美容のためには良い食べ物ですが、夜中に食べるのは避けたほうが良いでしょう。しかも、意外とナッツ類は高カロリーです。
また、食物繊維は夕食で食べるならオススメですが、消化に時間がかかるので、寝る前に食べるのはできるだけ避けましょう。
糖分や炭水化物を多く含むものは食べない
クッキーやアイスなどの甘いお菓子には、糖分や炭水化物が多く含まれているため血糖値が上がりやすく、カロリーを消費しない夜に食べると太りやすくなります。しかもケーキやアイス、クッキーなどには脂肪分も多く含まれているので、できるだけ夜は食べないようにしましょう。
お腹が空きにくくなる夕食と空腹対策で乗り切れる!
夜中にお腹が空いてしまう原因と、どうしても我慢できないときの空腹対策をご紹介しました。お腹が空きにくくなる夕食を選ぶことで、寝るまでお腹が空きにくくなり、ダイエットにも健康にも効果的ですよ。
夜中は、できるだけ食べないほうが良いですが、どうしても食べたいときには、消化が良く温かい食べ物がオススメです。
お腹が空いて眠れないときは、温かい飲み物や軽めの運動をしてやり過ごしましょう。
それでも食べたいときは、できるだけ量を少なめにして、よく噛んで食べることを忘れないようにしましょう!