塩分の摂り過ぎは、日本食に原因がある
日本食はヘルシーだと世界的にも人気がありますが、じつは日本食こそ塩分の宝庫だったんです。
でも昔よりも塩分の摂り過ぎが問題になっているのは、なぜなのでしょうか?
それは、ワタシたちが普段使っている「塩」に問題があるからなんです。
もちろん日本食以外にも、さいきん人気の朝食には、塩分が多く含まれています。
塩分の摂り過ぎで太る理由とともに、どんな食べ物に塩分が多く含まれているのか見ていきましょう。
目次
むくみだけじゃない!塩分の摂り過ぎで太る理由
塩分の摂り過ぎで太る理由は、むくみが大きな原因となっています。
でも塩分が引き起こす太る理由は、むくみだけではありません。
血行を悪くして、代謝が低下する
塩分を摂り過ぎると、血液中の塩分濃度が高くなります。
そのため血液中に水分を取り込み、薄めようとするんです。
すると血液量が増えて、血管を圧迫します。
これが「高血圧」のメカニズムです。
高血圧は血行が悪くなることが原因ですが、血行が悪くなると代謝も低下します。
そのため太りやすくなるんですね。
細胞に水分をためて、むくみが生じる
塩分を摂り過ぎると、血液中だけでなく、細胞にも水分をためようとします。
細胞の塩分濃度を薄めようとする作用があるんです。
これを「浸透圧」と言いますが、浸透圧が高くなると、ある現象が起きます。
それは塩分濃度を薄めるために、尿の排泄をストップしてしまうんです。
そのため体内に水分がたまり、むくみが生じるというわけです。
かといって水分を摂らないと、もっと深刻な状況になりかねません。
排泄機能がストップして、便秘になる
塩分の摂り過ぎで排泄がストップするのは、尿だけではありません。
排便もストップされてしまうため、便秘を引き起こしてしまうんです。
また塩分の摂り過ぎにより、腸のはたらきが悪くなってしまうんです。
そのため腸のぜん動運動が弱まり、さらに便秘が加速してしまうというわけです。
むくみが原因でセルライトになる
塩分の摂り過ぎで体がむくむと、脂肪をため込みやすくなります。
長期間にわたって脂肪が蓄積されていると、それがセルライトへと変化します。
そのため、むくみが原因でセルライトになってしまうというわけです。
脂肪がたまると血行が悪くなり、代謝が低下します。
早く塩分を排出して、脂肪を減らさないと、セルライトは増えるばかりです。
一度セルライトができてしまうと、改善するのがむずかしいのです。
塩分の摂り過ぎで食欲が増す
塩分を摂り過ぎると、食欲が増すと感じたことはありませんか?
いわゆる「濃い味」にすると、たくさん食べ過ぎてしまうんです。
なぜなら細胞の塩分濃度を薄めようとする「浸透圧」のはたらきは、水だけでなく「消化液」でも代用できるからです。
消化液とは、食べた物を消化する際に分泌される体液のこと。
この消化液の分泌をうながすために、「食べ物をたくさん食べなさい」と指令が出るんです。
そのため食べ過ぎて、太ってしまうというわけですね。
塩分の摂り過ぎで糖質を摂ってしまう
塩分を摂り過ぎると、塩辛くて何か欲しくなりますよね。
おかずがしょっぱいなら、白いご飯が欲しくなります。
するとあまり食べていないつもりでも、ご飯を意外と食べ過ぎている可能性があります。
つまり「糖質の摂り過ぎ」になってしまうんです。
また塩辛い物を食べると喉がかわきますので、糖分たっぷりのジュースを飲んだら、当然糖質の摂り過ぎになります。
塩分の摂り過ぎは、何かで薄めようとする作用がハンパなく強いんです。
1日あたりの塩分摂取量の目安って、どれくらい?
では、1日にどれくらいの塩分量なら良いのでしょうか?
塩分の摂り過ぎは良くないと言われても、どれくらいならOKなのかわからないですよね。
WHOの定めによると、1日あたりの塩分摂取量目安は、5gと言われています。
ちなみに厚生労働省が推奨する1日にあたりの塩分摂取量目安は、成人男性8g、成人女性7gです。
さらにアメリカでは、6gと目安が決まっています。
日本はちょっと多いですよね。それは日本食の傾向による理由からなんです。
日本食は塩分が多すぎる?
日本食は昔から、保存を目的とした食べ物が多いです。
味噌・醤油・漬け物など。これらは塩分量がかなり多いんです。
そのため日本人は塩分の摂り過ぎになりやすい傾向があります。
和食を好む高齢者に高血圧が多いのも、このためでしょう。
でも昔よりも現代のほうが、高血圧になりやすいのはなぜでしょうか?
それは使っている味噌や醤油、塩に含まれている「塩分の質」が変わったからなんです。
塩や調味料には、体に悪い塩分が含まれている
昔は加工品などありませんから、使っていたのは「天然塩」です。
その天然塩を使って、味噌や醤油を作っていました。
しかし世の中が便利になるにしたがって、大量生産できる「人工の塩」が使われるようになりました。
人工の塩は塩分が多く、しかも添加物も大量に含まれています。
そのため昔ながらの日本食を好む高齢者は、必然的に塩分の摂り過ぎで高血圧になってしまうんです。
では、洋食なら大丈夫なのでしょうか? いいえ、残念ながら最近主流の朝食にも、塩分が多く含まれています。
塩分の摂り過ぎる理由は、意外な食品に含まれているから
日本食が塩分の摂り過ぎになる理由がわかりましたが、他にも塩分が多い食べ物がたくさんあります。
むしろ塩分が含まれていない食品を探すほうが、むずしい時代となりました。
その中でも、とくに気を付けたほうが良い食品をご紹介しましょう。
カップ麺やお菓子などのジャンクフード
もはや言うまでもありませんが、ジャンクフードには塩分が大量に含まれています。
カップ麺のスープまで飲む人は、それだけで1日の塩分量をはるかに超えています。
またスナック菓子にも大量の塩分と油が含まれています。
ダイエット中は絶対に避けたい食品ですね。
ハムやウィンナーなどの加工肉
ハムやウィンナーなどの加工肉は、調理が簡単なので朝食に食べている人も多いのではないでしょうか。
とくにパン食が増えているので、これらの加工肉が食卓に並ぶことが多いですよね。
ハムやウィンナーは、純粋な肉をそのまま使っているのではありません。
製造過程で塩分などで味付けをしないと、美味しくなくて誰も買ってくれないんです。
パンや肉まんの皮
朝食に最適なパンや、おやつに最適な肉まんの皮には、意外にも塩分が多く含まれています。
パンの製造過程では、塩分の他にバターも多く使うので、かなり高カロリーな食品です。
さらに食パンなら食べる時に、バターやジャムをつけますよね。
ここでさらに脂質と糖質が加算されます。考えただけでイヤになるくらい、ダイエットに不向きな食品なんです。
「あまり食べてないのに痩せない」と思っている人は、朝食や昼食でパンを食べていませんか?
そうめんやうどんなどの乾麺
生麺にも塩分は含まれていますが、とくに乾麺のほうが塩分量が多いと言われています。
保存できるので便利な食材ではありますが、あまり食べ過ぎないようにしたほうが良いでしょう。
蕎麦は低GI食品でヘルシーですが、やはり乾麺ではなく、生麺を選びましょう。
蕎麦の乾麺は、そば粉の量が少ないことが多いです。
ノンオイルドレッシング
なんとダイエットでは欠かせないノンオイルドレッシングにも、塩分が多く含まれているんです。
ダイエットの食事と言えば、サラダを選ぶ人が多いですよね。
でも、そのまま味なしで食べるわけにもいかないので、ノンオイルドレッシングを選んでいることでしょう。
確かに脂質やカロリーは抑えられますが、塩分が多いのでむくみやすくなります。
まさに盲点とはこのことですね。確かに塩分も脂質も含まれていなければ、味がしなくて美味しくないでしょう。
もしサラダを食べるなら、手作りドレッシングにしましょう。塩の代わりになる調味料は、次の項でご紹介します。
塩分の摂り過ぎを解消する方法
では塩分の摂り過ぎを解消する方法は、どうすれば良いのでしょうか。
また塩分の摂り過ぎを防ぐ方法も、併せてご紹介します。
塩分が多く含まれる食品をひかえる
塩分の摂り過ぎを予防する方法は、前項でご紹介したような「塩分の多い食品」をひかえることです。
これがいちばん手っ取り早い減塩方法ですね。
でもじつは、塩分が足りなくても体には良くありません。
適度なナトリウムが必要なんです。
とはいえ現代の食生活で、塩分が足りなくなることは、ほとんどありません。
注意が必要なのは、夏の暑い時期だけです。
汗が大量に出て塩分量が足りなくなると、熱中症になりやすいからです。
それ以外にも心配することはないでしょう。
塩抜きダイエットをする
「体がむくんできた」「代謝が悪くて、なかなか痩せない」という人は、塩抜きダイエットをオススメします。
3日間限定でおこなう方法で、体からたまった塩分を抜くことで、一度リセットします。
塩分の摂り過ぎが気になったら、塩抜きダイエットで解消しましょう。
もちろん、その後の食生活にも気をつけなければいけません。
▶塩抜きダイエットでむくみ解消|塩分をひかえて痩せやすい体へ
汁物に気をつける
塩分の摂り過ぎを予防する方法は、汁物に気をつけることです。
汁物はたくさんありますよね。
味噌汁・ラーメン・うどん・蕎麦・スープなど、汁物は飲み過ぎないようにしましょう。
また味噌汁などを作る時には、使う調味料にも気をつけるとより塩分の摂り過ぎを予防できます。
塩の代わりになる調味料を使う
では、塩の代わりになる調味料は何かないのでしょうか?
あります。
それは以下の5つがオススメです。
- カレーパウダー
- クミンシード・クミンパウダー
- 山椒
- レモン汁(ライムやかぼすも良い)
- 胡麻
カレーパウダーは個人的にすごくオススメなんですが、添加物が含まれていないものを使用してください。
また、うなぎを食べる時しか使わないと思っている「山椒」ですが、意外と使えますよ。
塩の代わりに肉や魚に振りかけると、風味がいつもと違って、新しい発見があります。
レモン汁などの柑橘類やお酢などの酸味系の調味料は、塩味以外の刺激があるのでオススメです。
ただ酸味が苦手な人は、かえって「塩や砂糖」を足してしまいがちなので、それなら他の調味料を考えましょう。
食材で味に変化をつける
調味料以外にも、塩分をひかえる方法はあります。
それは「香りの強い食材」を使うことです。
香りの強い食材でオススメなのは、以下の6つです。
- バジルなどのハーブ類
- ニンニク
- 生姜
- ニラ・茎ニンニク
- 長ネギ・玉ねぎ
- しそ(大葉)
香りの強い食材は、塩以外の調味料よりも、簡単に味にパンチを利かせることができます。
とくに「ニンニク」は、味付けなしでも食べられる味になります。
長ネギや玉ねぎは、生だと辛みが良いアクセントになりますし、大葉やバジルは香りが良いですね。
いろいろと工夫して、好きな味を見つけてみるのも楽しいですよ。
減塩生活でダイエット成功と健康維持を目指そう
塩分の摂り過ぎで太る理由と、塩分をひかえる方法についてご紹介しました。
減塩生活は「味気ない」というイメージが強いですが、じつは料理の幅が広がり、楽しい食生活を送れるんですよ。
レシピのアイデアもいろいろと考案するのが楽しくなりますし、いかに塩を使わずに美味しく作れるか、食材との勝負が楽しいです。
健康とダイエットを両立できる減塩生活をぜひ始めてみましょう。